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2016年5月31日 (火)

将棋羽生名人電王戦出場!

とうとう、
羽生善治が、
コンピュータとの公式戦に臨む。

 

現在、彼の肩書は「名人」「王位」「王座」「棋聖」の四冠。かつて、史上初めて七冠独占を成し、天才的な棋譜を世に残している、現代最強の棋士。そしてたぶん、過去にさかのぼっても、これほどの天才は居なかったと感じさせる棋士だ。

その羽生善治が、「電王戦」に挑む。正確には、電王戦に出場するための予選と言える「叡王戦」に参加する。「叡王戦」で優勝すれば、並行して行われるコンピュータ同士のトーナメントを勝ち上がって優勝したコンピュータとの対戦が行われる。

なぜ彼は、コンピュータとの対戦を決意したのだろう。私が思うに、それは何といっても、今年囲碁の世界を驚かせたコンピュータ「AlphaGo」の存在が大きいと思われる。

 

「AlphaGo」は、以前の一般的なコンピュータプログラムとは次元の違うものだった。
これまでは、基本的には「すべての手を計算して一番いい手を探す」というのが、コンピュータの基本的な手法だった。しかし「AlphaGo」は違う。このプログラムは、人間の様に学習をする。自分で成長する。

具体的には、「AlphaGo」は、「ディープ・ラーニング」というアルゴリズムを用いでいる。これは、自らの経験を元に、問題解決の方法を探していく手法で、次第に学習していき、天才的な能力を得るようになる。最初はバカみたいな手を打つが、次第に学習していき、プロ棋士をも負かす能力を得ていく。「ディープ・ラーニング」は、ここ数年のうちに発達した人工知能の技術で、これは「社会の革新に触れる人工知能技術」ともうわさされる。なぜなら、これは「人が学習し成長する過程」に似ているからだ。

ディープ・ラーニングは、あらゆる世界での活用が研究されている。特に世において目立っているのが、例えば、車の自動運転技術だ。多くのメーカーや研究機関は、このディープ・ラーニングの手法を用いで、自動運転技術を確立しようとしている。

 

羽生善治がコンピュータに挑戦する理由、それは「自分の棋力」と「人工知能技術の発達」のバランスにおいて、拮抗するのが「今しか無い」と感じたからなのではないかと、私は想像する。先ごろ放送された「NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」を見るに、彼はかなり人工知能について意識している感が有った。そしてその放送の直後のニュースが「羽生善治 電王戦へ」だった訳です。つまり私は、この流れからそう感じずにはいられなかった。

 

次回の「電王戦」にて、ディープ・ラーニングを用いたプログラムが参加してくるかは判らない。それに、「AlphaGo」が凄かったからと言って、電王戦でディープ・ラーニングが強いとは限らない。実は、「AlphaGo」のコンピュータは、「CPU1202個、GPU176個」のスーパーコンピュータだった。しかし電王戦で使用されるコンピュータは「最強CPU1個、最強GPU1個」のごく普通の高性能パソコンです。この部分で、まだまだ有利さはあるのですが・・・。

それでも、人間側が不利な可能性は否めない。コンピュータから見ると、将棋は囲碁よりも簡単なゲームとなる。手の数が圧倒的に少ないので、計算が少なくて済むからだ。

・・・まあでも、これは、今までのコンピュータ将棋の概念なのかもしれない。もしかしたら、ディープ・ラーニングを取り入れたコンピュータの場合、CPUの処理速度などは関係なく、「それまでコンピュータがどれだけ学習したか」という部分が重要になってっ来る可能性がある。もしかしたら「高速コンピュータが強い」の世界から、「上手く教育できたコンピュータが強い」という世界への、歴史的転換点に差し掛かっている可能性もある。

そうなると、CPU1個の電王戦でも、これは見ものかもしれない。
従来のコンピュータでも、将棋のプロを打ち負かしている。
将棋界における「せめてもの救い」は、最強棋士「羽生名人」がまだコンピュータに負けていない・・・という事実だ。
そこに、次元の違うディープ・ラーニングが参加したとしたら、どうなるのだろう。
将棋の世界は、CPU1個で、プロの棋士と同等に渡り合う。
しかし、それは、最強棋士との対戦ではない。
そして時は来る。羽生名人が電王戦に挑む。

これは大変な事に成ってきました。

将棋界の威信を掛けた戦いになるのか、
もしくは、時代を感じる為の戦いになってしまうのか。

 

わたしはずっと「人工知能と言ったって、所詮は計算の結果でしょ」と思っていた。しかし時代は変わった。人工知能は「自分で学習」をするようになった。そして多分、彼らコンピュータは、一度学んだことは、決して忘れず、そして間違えない。人間は時として忘れたり間違ったり感情が邪魔をしたりする。しかし、コンピュータにはそれが無い。恐ろしい時代に成ってきました。

これはやはり、人間がコンピュータに支配される第一歩なのだろうか。
ここが、人間とコンピュータの、転換点の一つになるのだろうか。

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