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2015年10月 7日 (水)

ニュートリノ物理学は人類社会を変えるのか

「ニュートリノの研究なんて、社会の何の役に立つのか」

もしかしたら、そう考える人が居るかもしれない。

でもね、

こういう研究が、人類社会を変えるんです。
じつは、役に立つんです。
まぁ、我々が生きているうちは無理かもしれないですけどね。

 

小柴さんに続き、ニュートリノ関係でまた、日本人、梶田隆章さんがノーベル賞を取った。

多くの人が歓喜するなかで、しかし、

冷静に、「これが社会の何の役に立つのだろう」と考えるひとがいるかもしれない。

 

 

紀元前の時代、

かつて人類は、

自然科学を何も知らなかった。

目で見たままの世界を理解するにとどまった社会だった。そして、

 

アリストテレスや、ピタゴラスの時代、

世の学者たちは、たとえば、空を見上げ、星の動きを観察し、研究していた。

かの時代、天文学は発達し、現代につながる基礎を築いた。

当時の社会において、星の動きを研究することは、何の利益にも成らなかった。

ではなぜ、そんな研究が続けられ、それらの学者は、社会的に評価されていたのか。

それは、「人類共通の知的好奇心」がそこに有ったからだ。

そして実は、
ここからが重要なのですが、
この頃の基礎的な研究が、現代の人類に対しての重要な科学知識の根底となっている。

当時の人々による社会的な「知的好奇心」によって許してきたアリストテレス達の研究が、現代において、有益な事象として花開いている。

 

そんな時代から千数百年後、

コペルニクスや、ガリレオの時代に入り、
「地動説」というものが確立し、
世を騒がせた。

人類は、少しずつ自然科学の真実に近づいていったわけだが、
しかし、この時点でも、これらの研究は一般社会に何の利益ももたらさない。

当時の人々は、コペルニクスやガリレオに対しても、「そんな研究が何の役に立つんだ」と言っていたに違いない。
事実、彼らの研究は、当時の社会に何の利益ももたらさなかっただろう。

 

 

さて、それから数百年後の現在、

アリストテレスや、コペルニクスの基礎研究が元となり、
宇宙科学が発達し、
人工衛星が、地球の周りをまわっている。

これにより、テレビ放送が充実し、天気予報が可能になり、インターネットが普及した。GPSにより、カーナビやスマホアプリが充実した。

 

例えば、こんな現代の社会的利益を、はたしてアリストテレスやピタゴラスは想定していただろうか。

つまり、小柴さんや梶田さんの研究というのは、そういう価値観のものなのだと言える。

もしかしたら、千年や二千年後のある日、これらニュートリノ物理学の成果の果てに、人類にとって具体的に有益な知識へと発展しているかもしれない。そういう尺度での価値が、そこにはあるのです。

 

ノーベル医学生理学賞や、科学賞の場合は、かなりの頻度で、すでに社会の役に立っている場合が多い。また例えばiPS細胞に至っても、まだ具体的な貢献はしていないけれど、近い将来必ず役に立つことくらいは一般人にだって判る。

しかし、ノーベル物理学賞は、ちょっと異質なんです。その成果が、数十年後に出てくるのか、数千年後に出てくるのか、わからない場合が多い。

でもそれでもいいんです。これは人類の英知なのですから。

もしこれらの研究に対して、「すぐに役に立たないなら税金の無駄だ」とか思う人が居たとしたら、その人たちは、スマホも、GPSも、インターネットも、使う資格はないでしょう。

 

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