« 矢田亜希子って嫌いかも | トップページ | 社会を見る思考 »

2009年1月18日 (日)

「神の雫」と職人の心

ドラマ「神の雫」が始まりましたね。
ワインネタのドラマってことでちょっと興味あったんです。
漫画が原作のドラマです。

一応、最初に言っておきますけど、ご多分に漏れず、ドラマの出来は残念なものでした。・・・まあそれはもう諦めてます。そんなもんです。

で、原作の方に興味があって、先日漫画喫茶で8巻まで一気に読んできました。たぶん私の予想だとドラマでは3~4話あたりに成るんだと思います。

 

何だか共感する内容でしたね。

この話は、「ワインの価値観」についてのこだわりと感動を表現した物語なのだと感じました。話の焦点としては、「ワインの出来は”天、地、人”の条件によって良し悪しが生まれる」と言うもの。
つまり、
 天・・・天候、気候
 地・・・土壌
 人・・・職人の技
が、重要で有ると。
そして、その中で重要なのは「人」であると。

ワインの世界には「5大シャトー」というものがあって、世界最高級のワインとして知られる。これは「地」の恵まれた土地にて生まれるワインのブランドで、その中でも天候に恵まれた年のワインは最上級となる。つまり「グレート・ビンテージ(偉大なる年)」となる。

しかし、これだけでは「天」と「地」のみであり、良いワインは出来上がらない。そこには素晴らしい「人」、職人が必要と成ってくる。

人の技とは、畑の管理であったり、ワイン醸造の管理であったりするわけですが、そこに驕りや怠慢が加わった時、いかに自然条件のいいワインでも最低なワインが出来上がってしまう。
そして逆に、素晴らしい「人」の技の元では、奇跡の様な天候条件などが加わる事で、評価の低い地域でのワインであっても、突如として最高級ワイン「5大シャトー」に優るとも劣らない物へと化ける事が有る。

ワインとは何とも奥深き飲み物なのか。

 

私がこの漫画に共感するのは、最高級ブランドやビンテージよりも、職人の技に重きを置いているところだ。

成金がベンツに乗るかのごとく、日本のOLがヴィトンのバッグを持つかのごとく、その真の素晴らしさを理解せずに、ブランドだけでその物を判断してしまう。そんな現状への問題提起をしているところが、私は好きだ。

私自身、その職人技を愛するが故の選択で今まで生きてきたので、本当に嬉しい。私の中でそれが顕著に現れている代表例なのが腕時計。ドイツのグラスヒュッテの時計だ。私はドイツの職人魂が好きだし、その中でもグラスヒュッテの歴史、またその地方の風景が好きで、私は時計をそれに決めた。

例えば、その物を深く理解しその上で「ベンツが好き」、「ヴィトンが好き」というので有ればそれは自慢すべき事だろう。

そして、ワインを深く愛する人にとってもそれは言えるのだろう。ワインの世界を深く理解した上で「5大シャトー」のワインの素晴らしさを理解し、そしてそれにのめりこむ。それは決して「金を持ってるから高いワイン飲もう!」というものとは違う。価値を理解した上での高級ワインの堪能というもの。・・・ワインも飲まれて本望だろう。

それを考えると、夜の街で飲まれているであろう「ドンペリ」って可哀想・・・。

 

この漫画で少し残念なのは、「このワインをどう表現しよう」という類の台詞が主人公から多く発せられる。表現なんてものに重きを置かないで、そのワインをどう堪能するか、歴史や職人たちの逸話、そのワインを巡る物語に執着する主人公であって欲しかった。まだ8巻までしか読んでないから何とも言えないけど。

この作品は「12使徒」と呼ばれる12本のワインと、「神の雫」と言われる1本のワインを探し「対決」するのがメインのストーリーなのですが、実は私はこの「対決」云々の話は好きじゃない。その合間のサブストーリが好きだな。

 

追記
神の雫、だいぶ読み進めたのですが、この物語って・・・作者の「俺のワイン哲学を聞け! これが正解だ!」って感じで、あまり気持ちの良いものではないですね。共感よりも説得って感じで・・・。もっと人それぞれの多様な感性を尊重した物語だったらよかったのに。
主人公がワインの素人だった頃はその流れが隠れていて良いバランスだったのですが。
「12使途」とか「神の~」とか言ってるくらいですからね。一神教的な「正解は1つ」なワイン論なのでしょう。

|

« 矢田亜希子って嫌いかも | トップページ | 社会を見る思考 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90919/43775924

この記事へのトラックバック一覧です: 「神の雫」と職人の心:

» ロータス エヴォーラが日本デビュー! [腕時計の秘密]
待望のロータスの新型車、エヴォーラ(EVORA)がデビュー! ”進化した新しいオ... [続きを読む]

受信: 2009年1月18日 (日) 17:24

« 矢田亜希子って嫌いかも | トップページ | 社会を見る思考 »