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2008年10月19日 (日)

「偽善エコロジー」について 2-1 「ダイオキシン問題」

「偽善エコロジー」
武田邦彦が書いた環境問題ネタの本だ。

武田信彦は、「ダイオキシンは無害だ」と主張する。

この項目のキーマンは何といっても和田攻という人。
気になっていろいろ調べてみたんですけどね。ネット上に本人の論文や報告書って殆ど無いんですよね。
武田邦彦が引用している「学士会会報」というのは、元帝国大学である大学の学士が自由に論文を掲載する会報だそうな。「No.830」、神田の古本屋街に行けば転がってるのかな。一読してみたい。案の定これに載った論文はネット上で見つけることができない。
唯一私が見つけることができたのが「鉄鋼業環境保全技術開発基金」という所の報告書。また、武田邦彦以外で和田攻の論文を引用しているのは「塩ビ工業・環境協会」という所だけで、あとは個人ブログなどで武田邦彦とまったく同じ文言で語られているだけだった。たぶん武田邦彦の受け売りなのでしょう。いや武田邦彦は塩ビ業界と繋がりがあるはずなので、もしかしたら塩ビ環境協会の方も彼の受け売りなのかもしれない。

鉄鋼環境基金の報告書を読むと、和田攻は決して「ダイオキシンは無害」とは発言していない。「発がん性」について疑問を投げかけているだけの報告書だった。また、塩ビ環境協会の引用を見ても、それは揺るがない。
むしろ、環境ホルモンとしての害を認める方向にあり、また塩素挫瘡(クロルアクネ)の害についても否定していない。

武田邦彦は、和田攻の論の何を持って「ダイオキシンは無害」と主張しているのだろうか。
私はダイオキシンについて知識が浅いため、和田攻の「発がん性の疑問」については何ともいえません。しかし和田攻は環境ホルモンとしての科学的作用も報告書の中で説明しているし、目に見える害(クロルアクネ)についても説明している。どう読んでも「ダイオキシン=無害」とは読み取れない。
武田邦彦は、「世の中の毒は発がん物質だけ。それ以外は毒じゃない。」という認識なのでしょうか。 どう見たって急性の毒性症状はあり、奇形の発生と言う毒性だって有るではないか。

この項目を読んでいると、また彼の得意な「論点誘導、ミスリード」かな、と感じてなりません。 スラ~と読むと「急性の発ガン性は無い=無毒じゃないか」と読めてしまうからです。 読解力や論理性の個人差によるものなのでしょうね。こういう文章を鵜呑みにしてしまうのって。

ダイオキシンの毒は主に、急性毒性、催奇形性を含む生殖毒性、発がん性が挙げられる。急性毒性とはクロルアクネなどの症状をきたすものであり、生殖毒性は環境ホルモンとしての作用で奇形などを生む。
武田邦彦は著書の中で、ベトナム枯葉剤の被害者であるとされるベトちゃん、ドクちゃんについて語っている。 彼はこの症例を「ダイオキシンとは無関係でした」と言っている。これはどこから出てきた断定なのでしょう。引用元がほしいものです。

 

「焼き鳥でも、焚き火でもダイオキシンは発生する」と言ってますがね、塩化ビニールなどを燃焼させたときの比ではないことは、科学(化学)を知っている人ならだれても理解できること。何を言っているのやら。鶏肉のメイン物質に反応性の高い塩素化合物が使われているなら解りますけどね。強いて言うなら食塩(塩化ナトリウム)でしょうか。安定しまくりな物質ですよ。そりゃ塩素は食塩以外にも世の中に多く存在し、故にダイオキシンの発生が皆無とは言いませんけどね。塩ビに比べれば万分の一のレベルでしょう。
「塩ビが駄目なら焼き鳥も駄目だろ」という論法は間違いといえる。武田邦彦の悪い癖だ。

 

真偽のほどは別にして「発がん性」に付いては興味がそそられますね。私もちょっと「ダイオキシンと発ガン」に付いて論をめぐらせてみました。

ダイオキシンは細胞の中心のDNAにまでは影響せず、DNA異常は起さないものだという。細胞の働きの部分に作用し、無用な活性化など細胞の行動を異常にするものだという。(これは和田攻の報告書に書いてあることなんですけどね。これが間違いならば以下はムダ文です。)
DNAに傷が付かないのならダイオキシンによる直接のガン化は起こらないのかもしれません。
私が上記を信じて素人目に考えるに、ダイオキシンは環境ホルモン系の毒であり、細胞の異常行動などを促すもので、そこにガン細胞が有ればガンが進行するが、そこに正常な細胞が有るのなら奇形や機能不全を促す作用が有るのでは・・・、と推測できる。
また、ガン細胞というのは健康な人の体にも無数にあるもので、発生すると直ぐに免疫細胞により退治されてしまう存在です。そして免疫力が低下したり急激にガン細胞発生が起こった場合に病気としてのガンが発生する。もし免疫細胞に何かダイオキシンが作用した
場合、退治されるはずだったガン細胞が発達を続け、その時初めて「発ガン性」を発揮するのかもしれません。

そう仮定すると、「急性ガン」というのはダイオキシンにおいて発生しにくいものとなる。
ま、素人が何を想像したとしても、何がどうなるってことでもないけれど・・・。

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コメント

和田氏→Pitotのpaperを見た限り、Fig.4のA、BはDEN(発ガン物質)を投与して発ガンを促進させる状態下でのTDCC(ダイオキシン)の濃度の影響を見ていると理解しますが、Pitot自身、TCDDが0.1ug/ml/kg/day以下だと発ガンへの影響は無く、低濃度での保護効果が見られると記載してます。

投稿: はつ | 2009年1月15日 (木) 16:03

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