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2008年9月18日 (木)

「偽善エコロジー」について 1-7 「冷房28℃について」

「偽善エコロジー」
武田邦彦が書いた環境問題ネタの本だ。

武田邦彦は今度は、日本政府が国民にお願いしている「冷房28℃」について噛み付いています。

何だか知らないけど、この項目の冒頭は「ダイオキシン問題」から語られています。そんなに焦らずとも、後で自身が設けているダイオキシンの項で語ればいいものを・・・。感情だけでものを書いている証拠でしょうか。

・・・で、「冷房28℃」についてです。
武田邦彦がFMラジオに出ているときにリスナーから質問されたんだそうです。「地球温暖化を防ぐために部屋の温度を28℃にしてあります。でも暑くて(中略)・・・25℃に下げたいのですが、温暖化は大丈夫でしょうか」と。 武田邦彦は「これを聞いて愕然としました」と言っています。

この本の事はとりあえず置いて、まず、なぜ政府が「28℃」を推奨しているかを私の口から説明しましょう。
「28℃」というのは何も地球環境を考慮して導き出された数値ではないんです。この数字は、憲法の「基本的人権の尊重」からの流れで「公共の場所の室温」についての最低限の数値というものを人間工学的に導き出したものです。つまり「人が生活するうえで室温は28℃以下が望ましい」という結果の元、日本全体の公共施設において「28℃以下の温度にしなさい」という通達が出されている訳です。役所、図書館、警察署、公営病院、学業施設、公民館・・・など。
元は「学校保健法」に基づく「環境衛生検査のガイドライン」として平成4年に体育局長が設定した数値です。

冬期では10℃以上、夏期では30℃以下であることが望ましい。また、最も望ましい温度は、冬期では18~20℃、夏期では25~28℃である。(改訂版2002年)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/14/02/020202.htm

これを考慮したうえで、政府は今度は省資源問題、CO2問題、ヒートアイランド問題を考慮して、出来る限り冷房の温度設定を上げて欲しいとお願いするに当って、公共施設の温度設定を考慮せざるを得なくなり、そこから「節電の為に冷房は28℃」という数値が生まれてきた訳です。

これは、エアコンを導入したいが為にお上が都合よく論じて設定した数値であり、また環境が騒がれる今において「過去の通達を取り消す事が出来ない」という下らないお上の性質からくる「28℃以下+できるだけ省エネで」によって生まれた「設定28℃」でありバカらしいものではあるのだが、武田邦彦はそんなところを突っ込んでいるのではない

武田邦彦は質問リスナーに対して愕然としていました。「何で大人はそんな事を教えているのか」と。「大人」とは言っていますが、まるで政府やメディアを含めた世間全体が「28℃で温暖化は止まる」と理解して主張しているような口ぶりです。それに対して批判しているような口ぶりです。
やっぱりこの人は無理やり勝手に「間違った意見」を世間一般の理解として、それに対して批判して満足している。「私は正しいんだ」と。
誰も「冷房28℃にすれば地球温暖化は治まる」とは言ってないんですけどね。間違っていたのはそのリスナーだけ。いや世間のうちでそう理解している人は多数いるでしょうけれど、それが世間のメインの理解だと考えるのはどうにもおかしなことです。

そして全く関係ない方向にこの項目は飛び火します。
なんと「節電の呼びかけは電力会社の出費抑制の為だ」と言い出すんです。つまり電力会社の儲けの為の宣伝文句だと言うんです。確かに夏場の消費電力を抑えることは電力会社の出費抑制効果があります。これは突出した電力生産を賄うには非効率的な燃料投下が必要であり、エネルギー工学的にみて理解は可能だ。しかしそれはそれで良いではないか。電力会社の出費が減ることの何がいけないのか。省エネを実現する事は地球全体のベクトルとして良い方向であることは間違いない。むしろこれは「財界の差し金なんだ」としか考える事の出来ない彼の思考が幼稚であることの証と言えるでしょう。彼がかわいそうで成りません。頭の中が狭い世界でしか構成されていないのでしょう。

この項目で武田邦彦が最後に締めている内容は、要約すると以下の通りです。
「お上や電力会社が勝手に決めたエコなんだから、我々はそれに従う必要は無い。」
「とあるテレビ局(NHKのことです)で2008年正月に大々的に温暖化問題を語っていたが、電力を消費しまくって番組作って何をいっているのか。自分が節約していないのに他人に節約を求めるのはどういうことか」
彼は、それを主張する人間の行動によって、その論理や正しい方向性まで否定してしまうのでしょうか。NHKが電力を消費しているからと言って、「省エネは偽善で有る」となぜ主張できるのでしょうか。
彼の根本の精神はやはり「省エネしたくない」「エネルギーを使いまくって生きたい」なのでしょう。そしてその欲を前面に出せないから回りくどく論じているのであって、いざ彼の言い分を要約してしまうと、単なる「けじめの無い子」の烙印が押されるだけの人間と成ってしまう。そういう人なんですね。
自分がやりたくないってだけならそれでもいい。ただそれを他人に押し付けるな。勝手な論理で誘導するなよ。

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