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2008年9月10日 (水)

「偽善エコロジー」について 1-5 「バイオエタノール問題」

「偽善エコロジー」
武田邦彦が書いた環境問題ネタの本だ。

武田邦彦は、「石油をやめてバイオエタノールに」は、ただのエゴだと言う。

言いたい事は解かります。
アメリカ大統領ブッシュが2007年(1月23日)の一般教書演説にて「代替燃料であるエタノールを用いてガソリンの消費量を向こう10年間で今よりも20%削減する」と発表した。 (一般教書演説2007) それを切っ掛けとして、コーンや大豆など穀物の多くが値上がりした事は事実だ。

彼は言う。
「アメリカのエタノール政策のせいで小麦の値段が高騰し、ウドンや小麦粉などの小売価格が上昇している」と。はっきり言って、これは少し間違った見解であり、「イメージ誘導」とも取れる文章だ。
ここ数年、世界中で小麦製品が値上がりしたのは、主にオーストラリアの干ばつが原因であり、アメリカのエタノール需要はあまり影響していなかった穀倉地帯の問題だ。オーストラリアでは、昨今毎年の様にインド洋での「ダイポールモード現象」発生によって干ばつが続き、穀倉地帯の砂漠化が深刻となっている。この現状があるが故の世界的な小麦の高騰であって、これはエタノールの問題ではない。
確かに、アメリカが世界の輸出量の大半を占めている大豆やコーンはエタノール需要の影響を受けている。しかし全ての穀物に対して、同等に影響しあっていると言うのは事実ではない。またそれを言って読者の心を荒立てようとする彼のやり口を私はこころよく思わない。

また、2007年8月以降の穀物の高騰は、サブプライムローンの崩壊が引き金となっている。
金融市場から引き上げた投機資金が投機先を探して石油市場と穀物市場に喰らい付いた形だ。そしてそれに呼応して、アメリカの年金基金などが投資先を金融から石油市場や穀物市場に移してきた。サブプライム危機の初期の段階では投機資金が穀物高騰の原因であったが、基金資金が徐々に動き出した事で、本格的な高騰へと変化していった。
これが、本来の穀物経済を認識した人の説明なはずだ。

この項目についてコメントする人で、以下の文章を引用して感嘆し衝撃を受ける人が多いようだ。即ち「これまでの人類の歴史上、食べ物を燃料にする時代はありませんでした。」という彼の文章。単純に考えれば「そりゃそうだ」と思うでしょう。
しかし人類は文明の発生と共に「酒」を作ってきた。この意味が解かるだろうか。これは実は食べ物を燃料にしていることと同等の行為なのだ。人類は穀物のデンプンや糖類をエネルギー源として運動している訳だが、その穀物が余ったとき、それを発酵させて酒、アルコール、つまり「エタノール」を精製してそれを消費している。
「酒は飲むんだし、アルコールは体内でカロリーとなって消費されるんだから食料と同じだろ・・・」と思うかもしれない。しかし違う。飲酒によるアルコールのカロリー摂取は、生命活動に利用される事は無い。体内にて無駄に発熱を起して消えていくカロリーなのだ。
いわば、酒を飲むと言う行為は、娯楽のためにエネルギーを消費している現代人の始まりのような行為であり、酒を作るという行為は、娯楽の為に食料をエネルギー化している行為なのだ。
人類は自分達の楽しみの為に食料をエネルギーとしていた。
武田邦彦が例に言う「残った米をストーブにくべる」というような馬鹿げた単純例ではないのだ。

酒を飲みたいという欲、車で移動したいという欲、多くの欲を満たすために人類は多大なエネルギーを必要とする。人類は欲を抑えるという自制心を磨かなくてはいけないが、それと同時に「代替エネルギー問題」というものを真剣に、同時進行で考えていかなければいけない。将来確実に来るであろう「石油枯渇時代」を踏まえて。将来来るであろう「CO2由来の温暖化危機」を踏まえて。
ま、年齢から考えて武田邦彦が生きているうちは本格的な危機を迎えることは無いだろう。その辺では彼は安心だ。良かったですね、武田さん。

Chiri3616 Chiri3619
NHK高校講座 地理 人口爆発と食糧問題 より
上の図が何を説いているか解かるだろうか。
世界で生産される穀物のうち、2/3を家畜が食べているという現実だ。そして、本来ならば人類は140億人分の食料を生産する能力を有しているという現実だ。

例えば、牛肉1kgを作るのに穀物8kgが必要と成る。(NHK高校講座より) ところで、家畜というのは穀物を食べさせなくても育てる事は可能だ。つまりそれは牧草による畜産だ。 穀物畜産による食肉は脂の乗った肉、いわゆるアメリカ牛(メタボリック肉)や国産和牛のような肉となるが、牧草で育てた家畜の肉は赤身を主体としたオージービーフのような肉質となる。(※注:オージーでも穀物飼料を使用している畜産はあるが、他国と比べると割合が低い)
現在の日本の牛肉市場の90%はオージービーフだ。BSEの影響ですね。アメリカ牛を敬遠するようになったから。そんな日本でも牛肉って充分美味しいですよね。オージービーフで十分ですよね。・・・吉野家はアメリカのメタボリック肉じゃないとダメらしいですけどね。美味い牛丼を作る為にアメリカのメタボ肉汁が欲しいのだとか。

武田邦彦は言う。「世界には飢えている人がいる。そしてエタノールを作ることでその問題をなお圧迫している・・・」と。
「だからエタノールなんて作らずに、石油を消費し続け、CO2を排出し、温暖化し、危機的状況になったらそのままオロオロしてましょう・・・。その頃は私は死んでるだろうから知ーらねっ・・・。」って考えなのでしょうか。

武田邦彦自身も「穀物生産量は20億トン」と著書の中で言っているとおり、これに関するデータは持っているわけです。そしてそのデータを見てのその後の考え方、思考の仕方が間違っている訳です。
バイオエタノールの存在を否定する必要は無いんです。ようは世の政治力の問題であり、その用法を間違えているブッシュが穀物危機の引き金を引いてしまっただけであり、それが故に武田邦彦が「ほら見たことか」とヨダレをたらしている訳です。

彼はブラジルの例としてこう言っています。
「1キロカロリーのバイオエタノールを作るのに、0.8キロカロリー程度の石油を使うとされている」と。
彼はこの数字の詳細を語りません。
私だって彼の計算による0.8の詳細なんて知りませんが、農業の経済観念からして以下の事が確実にいえます。この場合の0.8キロカロリーというのが何を指しているのかと言うと、つまり畑を維持するための自動車やトラクターなどの燃料であり、そのエネルギー量を全て石油で換算した計算による数字です。
いいですか、ブラジルでの車の維持エネルギーの換算なんですよ。ところでブラジルは世界最大のエタノール普及国です。ガソリンだってE85などが実用化されている国です。E85とは石油15%+エタノール85%のガソリン代替燃料です。つまりはですね、農家がE85を使っている場合、0.8キロカロリーとは、その内の15%しか石油は使っていないと言う意味になるんです。ブラジルでは100%石油由来のガソリンよりエタノール燃料の方が安いですからね、農家はみんなE85です。
よってですね、「1キロカロリーのバイオエタノールを作るのに、約0.1キロカロリーの石油成分を使う」と表現するのが正しいんです。

それに、例え0.8が全て石油由来だったとしても、それはそれで凄いじゃないですか。
つまり、8リッターのガソリンから10リッターのバイオガソリンを作ってしまうってことでしょ。つまり、単純計算でそれだけで石油消費量が20%削減できるってことですよ。画期的な政策じゃないですか。

社会の構造を変えようとするときは、少なからず摩擦やストレスは生まれるものです。武田邦彦のように摩擦やストレス無く今までどおりに暮らしたいって考えの人ならそれでいいですが、そんな行動を世界中の人が続けていたら温暖化時代も枯渇時代も乗り越えられない訳で、無責任な主張であると言えるでしょう。
武田邦彦はいつまでも油タラタラの牛肉を食べていたいのでしょうけど、それじゃ近い将来の世代の人が困る訳です。自己中心的で理不尽な生き方をする人間はいつの時代にも居ますが、それは常に社会から排除されるベクトルにある人間です。
無責任に成らないためにも、赤身の肉で満足する社会を築き、穀物飼料を世界規模で削減し、その分をバイオエタノールに転換する政治的ベクトルを確立するべく世界中の一人一人が努力をすること、またイチ科学者やエコノミストはそれを世界に促す行動を取るべきであり、その中に武田邦彦も入っているはずなのだ。
しかし・・・、彼は・・・、・・・。

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環境問題」カテゴリの記事

コメント

この件についての私の見解は
「 あれほどに、ありとあらゆる環境保護策に難癖付けていれば、その中には一つぐらい本当に『偽善エコ』な事業もあるだろうよ。」 ...ってな感じです。

アグロ燃料が有効な温暖化抑制策だとはどうにも信じられないのです。
( もっとも、あのセンセエがどの様な動機・信条から「バイオ燃料」を批判しているのかは疑問ですけど、)

逆に、
もしも仮に、アグロ燃料の環境負荷が正当に問題視されて、「環境に悪い」という知識が広く理解されている世の中だったならば、あのセンセエのことだから「トウモロコシが世界を救う」とか云ってるんじゃないかと思います。


私の考えは、

1. 農業は、CO2吸収源収奪と土壌蓄積CO2放出促進を代償とする事業であり、その破壊力は化石燃料に匹敵する。 この先人口が増えていくであろうことを考えあわせても、より少ない耕作面積でより多くの人間を養うコトを考えるべき。
畜産業の縮小も真剣に考えるべき段階であり、飼料畑も牧草地も減らせるものなら減らして、叶うなら植林すべき。 農作物をクルマに飲ませるなど論外。

2. 現状の技術でバイオマスから液体燃料を生産すると、カロリーは原材料の50~40%にまで目減りするが、ガス化なら冷ガス効率は70~80%が得られる。 エタノール化・メチルエステル化は損が大きい。

3. エタノールもメチルエステル系も、ピストンエンジンの燃料としては必ずしも最適ではない。 必然的に、有害生成物の排出も、石油系燃料を用いた場合よりも増加する。(NOx、CO、CH、SOF、アルデヒド、等々...)
N2Oの排出が数倍になってしまうなら、CO2を減らしているという意味も無い。

したがって、
アルコールおよびメチルエステル系燃料に関しては、これをピストンエンジンに用いることには反対する。 特に自動車に用いることには強く反対する。( 移動排出源の排ガス浄化は、固定排出源と比べると難易度がはるかに高い。)
廃テンプラ油や廃バイオマスなどについては、 ストーブの燃料、定置プラントの燃料、ガス化コジェネ・ガス化複合発電の燃料、などを主な用途とすべきである。

当面のところクルマには石油系燃料を用いるべきである。
バイオマスは適している分野で燃やせば良い。

...というモノです。


日本的営林を海外に広めて、「カーボンニュートラル」のバランスが崩れないハゲ山にならない範囲での木質バイオマス火発を推進する。...といった事が実現するならそれは素晴らしいです。
ボツリオコッカスやミドリムシやホンダワラなどのエネルギー活用にも期待します。( ただし、BHLやBTLなどの処理・生成の方法が問題となると考えます。)

しかし、
アグロ燃料は、害と無駄と損が大きい事業だとしか思えません。


長文・駄文で失礼いたします。

投稿: 平山滋 | 2009年12月 2日 (水) 17:56

平山さん、どうもお久しぶりです。

私も実は丁度、バイオ燃料に関してちょっと書きたい事が貯まってたところでした。

私の基本的なバイオ燃料に関する現在の注目も、「コーン」や「アブラヤシ」などの農産物(agro)ではなく、「ボツリオコッカス」や「シュードコリシスティス」といった藻類による重油の生産です。

よく砂漠地帯などで健康食品として「クロレラ」がプラントで育てられていますが、それと同じような方法で、藻類から重油を作り出すことが出来ますからね。大量生産が可能になれば、アグロ燃料よりも高効率で燃料が採取できるとか。
私も大注目です。

ま、アグロ燃料ってのも私は反対じゃありませんよ。
食糧不足問題ってのは、ブログ記事にも書いてある通り、私は「アメリカが食生活を正せば解決だ」と考えてますからね。


あ、そうそう。
エタノールでレシプロエンジン(ピストンエンジン)を回すとNOx等が出やすいってのは、私、車に詳しい事情があるので理由が解るのですが、それはバルブタイミングってもののせいなんですよ。

エタノールエンジンってのは、大抵がガソリン兼用で、エタノールが注がれた時だけ、自動判断で燃料調整がされて燃料噴射の量だけは調整されるんですけど、
バルブが開いてシリンダーが解放される、そのタイミング等に関しては、電子制御で切りかえることは難しいんですよ。で、ガソリン用のバルブタイミングでエタノールを燃やしているので不完全燃焼が多くなり、どうしてもNOxなどは出やすくなってしまいます。そういう車が大多数となっています。
もしエタノール用にバルタイ調整されたエンジンが出てきたなら、NOxやCOなどを抑えることは可能です。それに何よりSOxは絶対に出ませんし、やっぱりエタノールは有用だとは思いますよ。
バルタイを変更する機構であるVTECやMIVECなどの機構を利用すればそういう対処も出来そうですけどね。世界の多くはその技術が無いし。エタノール自動車に関しては色々ハードルはありますね。

投稿: Snow | 2009年12月 2日 (水) 18:49

まことに失礼します。

私が云々しているようなコトは、Snowさまには云わずもがなでしょうけど、 原理主義的効率ヲタの私には、Snowさまには許容できるコトも我慢ならないわけですね。

ただ、
COP15で云々されている、50%削減だとか83%削減だとかを実現するためには、
削れるモノは何でも削る という覚悟が必要だと思うのです。

バイオエタノール車への流れが止められるとも思いませんけど、
『必要悪』である。 ...というコトだけはハッキリさせてもらいたいモノだと思います。

「 何で向いてないコトに使おうとするかね? バイオマスはガスにするか電気にするかだけを考えてくれ。 ガソリン代替燃料はボツリオコッカス重油ハイドロクラッキングもんしか認めねぇ! 」 ...というのが私の信条です。 ^^

それでなくても、ゆくゆくはクルマの走行動力も電化されるわけですし。


今、私が夢中なのはIGCCです。
主に、クリーン石炭エネルギーとして注目されていますけど... 
バイオマスでも廃プラでも、CとHで出来ているものなら燃料になりますよね。
( 廃プラに関してはマテリアルリサイクルが当然重要ですが、ケミカルリサイクルや固形のまんまのサーマルリカバリーなどと比べれば IGCCの方がマシな効率でしょう。)

ガスタービンの始動性・応答性の高さは、
「自然エネルギーの出力変動をバックアップするエネルギー源」
としても有効に機能しうるモノだと考えます。

私が知る限りで、「 ガス火力による自然エネルギーの補完 」を論じている記事って見当たらないのですけど、Snowさまはどう考えられますか?
あれって、現状でも需要変動に応じて停止したり起動したりを繰返しているんですよね。
気象予報と連動しさせて、風が吹いたら止める-風が止んだら動かす、というのは不可能ではないと思うのですけど... 素人の非現実的な妄想なんでしょうか?
風発自体も、大規模にやればある程度の出力平準は可能ですけど...


余談ですけど、
『当面のところクルマには石油系燃料を用いるべきである』
という私の論に対して、
「石油の既得権益を守りたい連中のプロパガンダだろ」な反応をされる方もいるのですけど...
アグロ燃料を推進しているのって、実のところ石油屋がらみのグループが主ですよね。
結局、石油屋=燃料屋 なワケですよね。

投稿: 平山 滋 | 2009年12月 2日 (水) 22:51

まず、
私が考える「エネルギー問題」の根幹は「石油枯渇問題」です。

「CO2問題」や「排ガス問題」などの環境問題と繋がるそれぞれの問題ですけどね。
CO2の量が減らせるならガスでいいのか・・・
石炭をガス化できればそれを使えば解決か・・・
私はそうは思わないんです。

石油の枯渇時期に関しては40年後とか60年後とか色々な説がありますが、経済社会的に言えば、枯渇どころか産出が減ってきた段階で危機的状況になります。天然資源の産出というのは「ハバート曲線」というラインを描いて枯渇していきます。その下り坂に差し掛かった時、私は世界が大混乱になる事を予見し、それを回避する技術として、石油代替え燃料や電気自動車、風車、太陽光パネルなどを推進したいと考えています。
ガスや石炭もしかり。
ガスは60年、石炭は150年採れると言われますが、これは「今のペースで産出した場合」の計算です。石油が枯渇した後のペースは絶対に変わるでしょうね。

22世紀の地球はどうなってしまうのか。
私はその辺が気になって仕方ないんです。
地球の環境に関して、
世界の情勢に関して、
人はエネルギー問題をきっかけに簡単に社会を壊します。戦争を起こします。単純に「戦争反対!」とか言う様な歯の浮く発言はしませんけどね。不幸な未来が確実にやってくると予想する私としては、ただ単純にそれを回避する手段を模索したい。そう考えるのが私の「エネルギー問題」の根幹です。

自動車の未来が全て電気に変わるとは私は予想しません。日本では現在電気自動車の未来がもたはやされてますけどね。それは日本の自動車業界が電気に強いってだけであり、逆に言えば、バイオ系の技術に遅れを取っているからとも言えます。
電気自動車も有り、バイオ燃料車もあり、ガソリン車やガス車も細々と生き残り、そんな未来だと私は考えています。
環境問題に置いて何が適切か・・・と言うならば、そこからガソリンやガスが消えた状態を私は考えます。


アグロ燃料を推進しているのは石油業界って訳じゃないですね。
ヨーロッパ系石油メジャーがアフリカに進出して植物油を搾取しまくってるって例はありますが、その他に関してはまさにあらゆる業界から、バイオ燃料の覇権を目指して入ってきています。アメリカやブラジルなどでは農業界が主導しているし。

ま、政治的な繋がりの「利権」ってやつは許せないですが、経済的な「利権」というのは、社会に生まれてしまうのは必然だと考えます。格差問題につながるものですが、「利権」という言葉に敏感になったとしても、「政治利権」と「経済利権」は私は切り離して思考したいと思っています。

日本においてはちょっと事情が変ですね。
日本はエタノールガソリンの導入に関して「ETBE方式」というものを自動車業界や石油業界が推進しています。
http://coolway.air-nifty.com/unicorn/2009/10/etbe-1c6e.html
これは大きなプラントを使わないと精製できないバイオ燃料の方式であり、これに関しては、「石油業界の既得権益」を「政治的に維持しようとしている」と私は感じています。私も日本のエタノール事情に関しては、憤慨しています。


ガスタービンに関してですが、
大規模化することに難ありな現状が気になるところですね。新宿高層ビル群の空調システムや六本木ヒルズのエネルギー全体などはガスタービンによって全て賄っていますが、そのような高付加価値な設備を受け入れられる金持ち企業や個人はそういう社会に住める現状ですが、それを社会全体に広げるとなると・・・、どうなるんでしょうね。
発電所規模の大規模ガスタービンが作れるような技術を人類は手に入れられるのでしょうか。
ガスタービンというのはつまり、ジェットエンジンですからね。飛行機についてるジェットエンジンと同じ。タービンを回して、空気を圧縮し、酸素を濃厚にして、そこに燃料を投入して、着火、爆発、エンジン回転、・・・。車のエンジンで「ターボ」ってありますけど、その原理を一から合理的に設計し直したのがジェットエンジンと言えるかもしれません。ま、ターボも二次大戦中に戦闘機エンジン用に発展した技術ですけど。
ガスタービンというのは精密機械であり、社会をそれで変えようとするような規模の大型化は、技術的に難しそうです。

投稿: Snow | 2009年12月 3日 (木) 08:42

私も、石油が枯渇した後の22世紀までず~っと石炭IGCCでやっていくべきだとは思っていませんけど、その辺については誤解を招く文言だったかも知れません。

長期的には、
ギガソーラー、洋上風発、海流力発電、地熱発電などによって、出力平準・需要追従の適ったエネルギーが賄われる様になることを期待しますし、 セルロース質からオクタンやセタンなどを合成する効率も今より数段向上しているハズです。

私がIGCCに期待するのは、そうなるまでの繋ぎとしての役割です。
旧来の火発のまんまでは自然エネルギー移行の足枷も大きいだろうと思ます。


あと、ガスタービン機関について、
> 大規模化することに難あり  ...と言われますけど、
ガスタービン・コンバインドサイクル発電の実用機には、旧来の罐焚きタービンよりもはるかに高出力なモノが少なからずあるのですけど、どの様な懸念から大規模ガスタービンの普及を心配されているのでしょうか? コスト面などでしょうか?


ガス火発を整備・保守するコトも大変ですけど、
エタノール生成工場を整備して、クルマの方もエタノール対応させてクリーン性能を維持する、というコトだって大変でしょう。 ガソリンなら必要のない諸々のリソース消費・面倒事を幾万のクルマに対して抱えこむコトになります。 その幾千万のクルマたちは 不特定多数の素人によってシゴかれて 無秩序に転がされる移動排出源であり、NOx排出削減だって一筋縄ではいきませんね。


青臭い質問で恐縮ですけど、
甲. クルマにバイオエタノールを用いる。火力発電には化石燃料を用いる。 
乙. 火力発電にセルロース質バイオマス用いる。クルマには化石燃料を用いる。 
...という選択肢の内で、環境負荷がより小さいのはどちらだと考えられましょうか? 私は、環境負荷がより大きいのはエタノール自動車の方だと確信しています。

全てのクルマがEVになるとは私も考えていませんけど、バイオマス活用の優先順位として、まず火発&ガス化の方に充てることを考えて欲しいモノだと考えます。

火発&ガス化であれば、荒廃農地の雑草だって活用が可能です。
雑草には肥料も農薬も燃料も必要なく、草原は農地と比べてより多くのCO2を固定できます。 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/992/992-14.pdf
アメリカさんが食生活を正せば解決、 だと云われますけど、それならそれで農耕に本当に適した土地だけを食料栽培に回せば良いのではないでしょうか。
( USAの穀倉地帯を支えるオガララ帯水層もそろそろ枯渇しちゃう時期です。 )

アグロ燃料は、そもそもCO2削減になっていない疑いが濃く、またカロリー損失が大きく、得られるものは風力や地熱や木質バイオマスなどと比べるとはるかに薄く、食料や生物多様性を犠牲にしてまで推進すべきだとは思えません。

巨大資本により動き始めたアグロ燃料ビジネスは、もう止められないのでしょう。
社会的に必要なエネルギーとなっている。という意見も否定はしませんけど、 しかしそれは『必要悪』と云うべきモノであって、グローバルな温室効果ガスの有効な削減策とはなっていないでしょう。 「環境にやさしい」などと云うべきものではありません。


あと、
様々な業種がアグロ燃料ビジネスを進めているという内で、「石油会社が中心である」 というのは当たっていないかも知れませんけど、 石油業界の内で見れば、大手のことごとくがアグロ燃料に手を出しているというのは間違いないですよね。


http://blogs.yahoo.co.jp/zaqwsx_29/21244935.html

クルマの燃料にバイオマスを用いるだけが『CO2』削減ではありません。
他の分野でも多くのCO2が排出されており、バイオ燃料への適応性が高い用途も多々あります。
それらの分野でバイオマス燃料を活用すれば、
無理をしてクルマにバイオマスを用いなくとも、CO2削減は実現できます。
だから、
クルマにバイオ燃料を用いるのは、少し待って欲しいのです。
...というハナシです。

投稿: ひらやま しげる | 2009年12月 4日 (金) 13:05

固執が多いように感じられますね。
熱いですね。
あまり私は熱くないんですけど・・・。

あなたは私に何を求めてるんですか?
回答ですか?
それとも、考えの改めですか?


>アグロ燃料は、そもそもCO2削減になっていない疑いが濃く

穀物からエタノールを作り、それを燃焼させてCO2を出す。
穀物を食べて体内で燃焼して、呼吸にてCO2を出す。
穀物生産を続ける限り、排出されたCO2はまた穀物に帰り、それが循環していきます。

どちらもエネルギーを得るための流れです。

社会を動かすエネルギーとして石油を使うのか、それともバイオ燃料を使うのか、その違いがCO2排出量の差に出てくるのですが、この流れの中の何に疑問をお持ちなのでしょう。
穀物の生産に必要なエネルギー量のところでしょうか。


>バイオディーゼルの場合、--厄介な廃棄物を多量に生じます。
>バイオエタノールもまた、似通った問題を抱えています。

バイオ軽油の場合はグリセリンが出ますね。まぁグリセリンとして社会で活用すればいいのですが、現在はバイオ軽油の業界が小さいので産業転化するのが難しい状態ですね。
エタノールの場合は穀物の絞りカス処理が問題となってます。肥料に使えばいいんだけどね。社会はそういう仕組みになっていないから…。

それともほかの物質ですか?

投稿: Snow | 2009年12月 4日 (金) 20:41

> 熱いですね。
熱いと思われるだろうと思います。
目下の私の最大の関心事ですので。


> あなたは私に何を求めてるんですか?
> 回答ですか?
> 考えの改めですか?
Snowさまの考えを改めさせる、などという大それたことは考えていません。
回答です。
『必要悪』として仕方なく肯定しておられるのか、
それとも、『環境に優しい』と考えておられるのか、
其れを訊きたかったのですけど、気は済みました。

( 私のクドいアグロ燃料批判は、Snowさまに読ませるためではなく、閲覧者の方の眼に触れさせるためにタイプしているわけですので、読み流して下さい。 ガスタービンについては本当に質問ですけど。    ←この行りって、yahooブログみたいに[内緒]ボタンがあるなら内緒にしたい行りなんですけどね。)


ついでながら、

> 何に疑問をお持ちなのでしょう。
> 穀物の生産に必要なエネルギー量のところでしょうか。
そうですね。自然の草原や森林などと比べると、農業が吸収するCO2は僅かで、農業用機械に加えて開墾による放出までを加味すると、むしろ「赤字」だと考えています。
それプラス、醗酵でCO2となって消えちゃう分、蒸留のために費やされる資源、などです。 ガス化・発電と比べると損が非常に多いと考えます。 肥料などとして活用できる残渣それ自体は問題だとは思っていません。

> バイオ軽油の場合はグリセリンが出ますね。
> まぁグリセリンとして社会で活用すればいい
とても役に立たない不純物の多いグリセリンで、精製しようと思えば出来ないことも無いけど、そのためにまた資源が費やされる。 それらも考え合わせたうえで、「ストーブで燃やした方が損が少ないんじゃない?」と云っているわけです。

投稿: ひらやましげる | 2009年12月 4日 (金) 22:13

ひらやましげるさん、もっと「化学」と「生物」と「工学」を勉強した方がいいです。
貴方の理解は、化学的、生物学的、工学的において理にかなったところが乏しい。物理的な理屈が通らない。

ある一方向に向けて考え方を積み上げているようですね。そしてその方向に固執している。その様子を指して私は辟易して「熱い」と言ったんです。私が何を言おうと焼け石に水だろうという意味です。


持論の展開なら自分のブログでやってくださいね。
私のところでやられても困ります。

投稿: Snow | 2009年12月 5日 (土) 09:08

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  NPO法人[http://www.npobin.net/ バイオマス産業社会ネットワーク]さま から戴いたメールを転載します。 【賛同依頼】バイオ燃料の持続可能性基準についての意見  〜土地に対する権利や労働環境にも配慮を!〜  NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク、(財)地球・人間環境フォーラム、国際環境NGO FoE Japanでは、 2006年より、バイオ燃料の持続可能な利用へ向け..... [続きを読む]

受信: 2010年10月10日 (日) 13:11

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