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2008年9月 8日 (月)

「偽善エコロジー」について 1-3 「水道水問題」

「偽善エコロジー」
武田邦彦が書いた環境問題ネタの本だ。

武田邦彦は、「ペットボトルより水道水を飲む」は、悩ましいと言う。
つまり、「水道水を飲むより、ペットボトルの水を飲んだ方が環境にいい」と言っている。

彼は面白い事を言っている。
項目の冒頭だ。
「筆者(武田邦彦)も少し迷っています。水道水の使用量を大幅に減らすのが環境によいのか、それとも、安全や健康、より快適な生活を求める人々が多い現状を認めて、飲み水はペットボトルにしたほうがよいのか。」
こういう二択で彼は悩んでいるらしいです。
つまり、「水道使用量を減らす」or「ペットボトル水の消費量を増やす」の二択です。
「水道水を減らしてペットボトルを増やす」のandなら判るんですけどね。orですよ。
これって、二択になってるんですかね。

彼は何に対して反論しているのでしょう。

問題はですね、
水道水の使用について、誰も環境問題として発言して無いって事です。・・・「誰も」というのは言いすぎですけどね。武田邦彦が勝手に曖昧な敵対意見を作って、それについて反論してるってことです。

彼の主張は以下の通り。
「水道水は、トイレ、風呂、炊事(洗い)、洗濯などで使用するのが殆んどで、飲み水など、口にする水の量は極一部であり、水道水の全てを「おいしい水」にするのは無駄なことである」
彼の統計では、1人1日の水の使用量は300Lで、そのうち口にする量は1~2Lなのだとか。残りの298Lの処理工程が無駄だと言う。

著書の中で彼は、「水道水のうち、口にしている量がいかに少ない割合か・・・」をグラフなどを用いてしきりに説明しているが、肝心の、「飲料水をペットボトル水で賄った場合のエネルギー量」と「2%の飲料水の為に水道水全てをおいしくする為のエネルギー量」というのを比較したグラフ、統計、説明が全く無い。
私だって、そんな細かいデータや統計は知らないので、それを比べた時の結果などは知らない。・・・しかし、彼が主張する内容に、本来の意味で説得力を持たせたいなら、双方のエネルギー量の比較が必要であり、そして彼をそれをしていない。・・・いや、著書執筆の為のデータ集めの段階では調べたのかもしれない。しかし都合の良い結果が出なかったために掲載されなかったのだろう。・・・双方のデータの検証が無い限り、この論法は成立しないのだから、載せてないって事は、この主張文章が「駄文」であると筆者自らが認めているようなものである。

水道水の使用は、「環境に良いのか、悪いのか」という問題では無いんです。
まず、ペットボトル水の消費はエネルギー使用量の問題から、環境問題として騒がれていることは確かです。そしてペットボトル飲料水の使用を減らすことは、多分、社会のエネルギー使用量を減らす方向に行く事は確かでしょう。
水道水の節水とは、これは四国や九州などに代表されるダムなどの水瓶の渇水状態のときの呼びかけです。そして、「水の無駄遣いはやめよう」というのは「基本的な省エネ」の心であって、「その分をペットボトルで賄おう」とかそういう論調では無いのだ。・・・この辺を彼はどう勘違いしているのだろうか。
必要なときは水道水を使う。
必要でないときはしっかり水を止める。
それでいいはずなのだが。

「家庭や職場において節水などをするのは無意味だ」と彼は言う。
彼はここでも勘違いをしている。
この場合の節水は、環境問題を意識した節水ではなく、家庭(職場)の経済事情による節水だ。水道代を1円単位で節約する。・・・単にその心だ。「水道代の節約」は、環境問題と別の意味で有意義な行為であり、だれもそれを「無意味だ」と発言することは出来ないはずだ。

飲み水や料理に使う水を、ペットボトル水で賄う生活を、社会のみんなが遂行したとしよう。
その量が彼の言う2%だと過程する。
単純に水道局の水道料金徴収額は水2%分減るわけだ。
水道料金というのは、上水道の為だけに払われているわけではない。水道料金は上水道の使用量に比例して払うが、その資金で水道局は下水道をも運営し賄っているわけだ。
例えば、炊事活動における水の使用を全てペットボトルや最近流行りの宅配ミネラルウォーターで賄った場合、其の時に出る、・・・例えば米のとぎ汁、パスタうどん蕎麦のゆで汁、サラダの野菜を洗う水、その他多くの水を棄てる料理、・・・下水道に流れる水の処理代を、その人は払っていないことになる。タダで下水処理してもらっている形だ。

下水道費用に限らず、各都市部では、ミネラルウォーターの使用度が高くなり、上下水道の処理費用が滞り気味となっている事が社会問題と成っている。
ミネラルウォーターを買うことの出来る中流以上の人は、ミネラルウォーターを飲んでいれば安心だと思っている。しかし、ミネラルウォーターを買えない貧乏人たちは、その上下水道の費用が滞っているその水道水を飲み続けなくてはいけない。
現在、世界最高水準の東京の水ですが、この状況が続いていくならば水は徐々に浄化度が下がっていき、そして貧乏人はその水をまた飲み続けなくてはいけない。
それが極端に成った時、貧乏人に病気が増えたり、またそれを防ぐために税金による上下水道費の補助が行われるでしょう。

何にしたって、上下水道の問題において、何処にどんな環境における無駄が存在し、それを踏まえて社会をどのような方向に持っていけば良いのかを考えた時、武田邦彦の主張はやはり間違った方向性であることを感じずにはいられない。

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コメント

「白州の森」のペンネームでホームページブログをかいている者です。
全く同感です。この筆者の考えには同調できませんね。
今私はウォーター・ビジネス、ミネラルウォーター業界の最大手の原料となる地下水の汲みだす井戸掘削の問題に巻き込まれ、このメーカーの対応を公開して、読者の意見を伺っています。

http://blogs.yahoo.co.jp/ogawa819/folder/1591865.html

投稿: 白州の森 | 2008年12月 1日 (月) 22:13

こういうときには、ちゃっかり、「価格=エネルギー」の武田説を出さないのですよね……武田氏は。

投稿: 綾波シンジ | 2008年12月 4日 (木) 07:33

資源枯渇という言葉を知らないのか・・・?
ペットボトルの消費量を増やしたら、水不足以前にペットボトル原料不足に陥るのでは?

投稿: Metasequoia | 2013年6月28日 (金) 21:39

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