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2007年5月12日 (土)

安易な感動「千の風」

「千の風」
私は個人的に、この詩に対して価値を見い出せません。
「みんなで感動を共有しようよ!」という「一杯のかけそば」的な空気を感じて成りません。
私は「一杯のかけそば」も嫌いでした。わざとらしい感動。実話と言う振れこみでしたが、事実じゃなかったそうですね。でもね、事実として聞いた時でも私は何も感動は感じなかった。聞いてて白けたよ。私に感動する心が無いんじゃない。辟易したのだ。主人公達に感情移入してみれば直ぐにこの話にリアリティが無いことが解るはずなのに。もし事実だったとしたらむしろ主人公の家族こそ胡散臭い。こんな物語に世間は流されてしまうのかと世間一般の安易さにガッカリしたもんだった。年越しそばの意味も履き違えてるし。中学3年の時でした。


「千の風になって」の歌と共に、「千の風」の詩が流行っているようです。
いい詩だと思います。
人の死というものを慰める時、大きな効果を感じさせる内容だと思います。
あらゆる宗教観の原始的な部分を突いている詩だからでしょう。

しかし、これがまるで社会現象かの様にもてはやされるのには少々疑問があります。

掛け替えの無い人の死に直面し、この詩に慰められるなら、この詩に感動はするでしょう。感謝もするでしょう。
しかし、普通の人が冷静な状態でこの詩を読んだ時、感情移入してまで感動する内容であろうか?
私はそう感じました。

この詩は何時かの為に知っていればいい内容であると私は思います。
「感動でしょ」「良い詩でしょ」と薦められて、又はメディアで大々的に取上げられてブームを巻き起こすような、そんな安易な感動を目的とした詩ではないと私は思うのです。
その人が人生のうちで必要と感じたときに、そっと読んでみる・・・。そんな詩ではないだろうか。

まぁ、万人が知るには有名にするしかないのですが、その方法は別の方法であって欲しかったです。

   千の風      作者:不明   訳:私です(直訳)

  私の墓の前で泣くのはやめてください。
  私はそこにいません。眠ってなんかいません。

  私は大空を駆け抜ける千の風です。
  私は雪の上のダイアモンドのきらめきです。
  私は畑にふりそそぐ日の光です。
  私は優しい秋の雨です。

  朝の静けさの中であなたが目覚めるとき
  私は吹き上がる風となって
  小鳥たちと舞っています。
  そして夜には、輝く静かな星となってあなたを見守っています。

  私の墓の前で泣くのをやめてください。
  私はそこにいません。私は死んではいないのです。

この詩の精神は、散骨を希望する人の心でしょうか。
自分の死を自然の摂理の一部としてとらえ、そこに「見守っている」といった宗教観を供えて歌った詩なのでしょう。
私はこの詩に衝撃を受けなかったのだが、それは、私がこの詩に同感であるからかもしれない。
私ははっきり言って、死後に自分の墓など無くてもいいと考えてしまう思考の持ち主です。
「安心してくれ、私は土に帰っただけ。そして心の中に・・・」とか。
又は、人の死を前にして
「あなたはガイアの一部となり、そして私の心の中いる」そういつも思っています。
すると気がスッと楽になる。
私は無宗教な人間です。
とある宗教家に言われました。「あなたは自分教を持っている」と。

しかし、残された多くの者には、写真や墓、葬儀など、宗教的礼節は必要なのだろう。それは心の慰めの為の手段として。

残される者に、この詩の精神が行き渡り、心の底から理解されるなら、悲しみを和らげる為の儀式は必要ない。
しかし人の心はそんなに器用ではない。
宗教的な儀式を必要とし、そしてこの詩の併用も必要とするのだろう。

人の死は何も怖いことではないし、哀しみの始まりではない。
ただ死ぬときちょっと痛い場合が多いだけかな・・・。

死は現世の可能性を閉じてしまうものだから出来るかぎり先であって欲しいが、いざ死を迎える時は、それが自分であっても、親族であっても、友だちであっても、理不尽な場合で無ければ悲しむ必要は無い。
ただ少し寂しくなるだけ。
その寂しさはこの「千の風」な精神を持って暖めてみればいい。

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