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2007年4月27日 (金)

バイオガソリンの問題点 日本の問題点

今日から「バイオガソリン」の販売が首都圏で始まった。
バイオガソリンとは、ガソリンとエタノールを混ぜた燃料で、現行の自動車にほぼ改造無しで使用できる。

現状では、エタノールはフランスから輸入して日本の製油所で混合し、そこからガソリンスタンドに運ばれる。

ところで、バイオガソリンには現在、2種類の製法がある。
「ETBE方式」と「エタノール直接混合方式」だ。
今回のバイオガソリンは、エタノール3%のETBE方式だ。

日本の自動車工業会の会長である張富士夫会長は、
「どちらがいいかと言えば、石油連盟が言っているETBEでやるほうがいいのではないかと思う」
「勝手に混ぜられるとえらいことになってしまう。それによって、自動車のエンジンが不調になったり、壊れてしまっては困る」
と言い、ETBE方式を推奨した。

確かに、直接混合方式には問題が少々ある。
現行のガゾリン用パッキン等に使われるゴムを腐食させる性格を要する。
石油業界や自動車業界が拒む理由の1つがこれだ。

日本では高々3%程度のエタノール(E3)で腐食がどうのとか言っているが、実は世界では既にE3どころかE85が普通に運用されている。
EU、ブラジル、アメリカでは既に実験的にではあれど「直接混合方式」でのE85を普通乗用車が使用しているのだ。
そして問題はここだ。
そのE85に日本車は全く対応していないのだ。
日本は今までのガソリン自動車に関しては特化しているが、ことエタノールエンジン、またディーゼルエンジンに関しては遅れをとっている。
(実はヨーロッパでは、ディーゼルはCO2の排出がガソリンと比べて小さいとされ、高性能ディーゼルエンジンの普及が進んでいる)

なぜ世界では、機械に厳しい「直接混合方式」を採用するのか。
それは、燃料製法が楽だからだ。
普通にガソリンにエタノールを混ぜればいい。
製法がラクならば色々な業界や業種がエタノール製造に乗り出し、エネルギー産業を活発化させ普及が早まる。

しかし、「ETBE方式」は工業化するには大きな製油所を必要とし、製法も難しい。
利点は、現行のガソリン車に使えること、燃料の品質を一定に出来る、税金逃れがされにくい。
よくよく考えると、この製法では社会への普及が難しいことが解るはずだ。

ちなみに、日本でETBEを採用したがっているのは、自動車業界、石油業界、そして道路族議員や国土交通省の面々も敏感になっているに違いない。
なぜ日本は、「ETBE方式」を採用したがっているのか。

自動車業界の言い分は張氏の発言に尽きるだろう。
しかしそれでいいのか?日本の自動車業界よ。今、ぬるま湯に入ってても将来風邪をひくだけだと思うぞ。
E85とか、っていうかE100に完全対応させた自動車を開発したほうが将来の為なんじゃないですか??
張さんトヨタの元社長でしょ?
車で世界の覇権を握りたいんでしょ?
考えてみようよ。

石油業界はなぜか。
それは石油業界が中央集権的な立場を逃したくないからだろう。
石油メジャーに押されている日本の石油業界は、日本という小さな世界の中で覇権を握ってアグラを掻いている。
日本の中で自動車燃料を支配し続けたいのだ。

道路族議員や国土交通省が敏感になっているのはなぜか。
実はここが一番の日本のネックだと思われる。
先にちょっと書いた、税金の問題だ。「ガソリン税」。
「直接混合方式」だと、簡単に不正されてしまう・・・可能性を秘めている。
それより何より、「直接混合方式」を普及させるには、バイオガソリンに掛かる税金を下げなくてはいけない可能性が大いにあるのだ。

エタノールと言うと化学製品のようにも聞こえるが、実態は「酒」であり「アルコール」だ。
エタノール製造とは、例えば度数98%のウォッカを作るようなもの。
そして今後、エタノール製造で力を発揮するであろう業界は、酒造会社なのだ。
しかし、同じアルコールを作るのでも、儲けが薄ければガソリン用なんて手を出さないだろう。
その為には、バイオガソリンに対するガソリン税を、現行の普通のガソリン税よりも下げなくてはいけなくなる可能性があるのだ。
そんな事は、国土交通省も、道路族議員も認めたくはないわけだ。
風当たりの強い族議員を要する場所だけに、大きな発言は出来てないようですがね。
各所で圧力を掛けていると予想されますよ。

税金屋さんはね、税収を落とすくらいなら外国の安いエタノールを買って、国内のエタノール業界は育てる気は無いんですよ。
外国産を使用し、税収を下げない為には中央で集中的に処理する「ETBE方式」がの方がありがたいわけです。
「直接混合方式」で、今後、ガソリン税を下げてこの業界を育てるべきだ!と気が付かれては困るわけだ。

 
 
日本で、エタノール業界を広めない事が、将来の日本にとって有利なのならばそれでもいいだろう。
しかし、利点はまず無い。
日本には休耕田が沢山ある。
間伐されていない杉林が沢山ある。これは花粉増加の要因にもなっている。
休耕田を復活させ、古米を消化し、農業を再活性化させる。
バイオやエタノールと聞けば脚光を浴びる業界になる可能性だってある。
杉林の間伐材をエタノール化して、山の森を復活させれば、花粉も減るだろうし、山肌が活性化して鉄砲水も減る、洪水も減るだろう。

エタノール業界の成長はあらゆる場面で、プラスの方向に世の中が動くチャンスでもあるだろう。

世界でのエタノール生産の問題は干ばつにある。
将来あるであろう水不足の世界だ。
アメリカの穀倉地帯が頼っている地下水は今、枯渇が叫ばれている。
インドの穀倉地帯の地下水も枯渇が始まっている。
ヨーロッパの穀倉地帯であるフランスは、実は砂漠気候化が囁かれている。

アマゾンを有するブラジルも近年、雨量が減っている。アマゾンが消える危機でもある。
大西洋の気候が変化してきたからだ。温暖化の影響とされている。
これは、実は地球シミュレータでも予測されていた。
そして去年のイグアスの滝消滅事件だ。
ブラジルのエタノールに頼る事は将来的に難しいのかもしれない。

そして何より、世界は食糧不足の危機をはらんでいる。
日本はそうそうエタノールや食料を輸入し続ける事は難しくなるわけだ。

そして日本だ。
実は日本は温暖化によって、サトウキビや米の生産に適した場所になりつつある。
シミュレーションの結果を見ても雨量は減らないし、気温は上がり沖縄と同じような生産性が本土でも期待できるかもしれない。

今、エタノールに対する政策を正しく行なう事で、実は日本のエネルギー自給率や食料自給率が上げる事ができるチャンスかもしれないのだ。

 
今日から、石油業界が中心となった「ETBE方式」のバイオガソリンの試験販売が開始となる。
そして、8月からは環境省が中心となって「直接混合方式」の試験販売が開始されるようだ。
私達は、どう受け止めるべきなのか。
まだ選択の余地は残っているのかもしれない。

<バイオガソリン>試験販売が首都圏50カ所でスタート
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070427-00000030-mai-bus_all

ガソリンと混合、バイオエタノール
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20070416ve01.htm



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コメント

こんな活動をされている方がいます。
興味深いので、応援しています。

http://biodieselchallenge.com/index.html

投稿: KOOL | 2007年12月16日 (日) 13:18

5年ぐらい前だったか、ガイアックスってのがありましたよね。家の近くにもスタンドがあった。あれこそがバイオエタノール混合ガソリンでしょう。業界と官僚に寄って集って潰された感じ。ひどい国だよな。自分のことしか考えてない連中ばかりだ、この国は。

投稿: 哲秀 | 2008年2月 1日 (金) 01:48

>>哲秀さん
ガイアックスはバイオエタノールではないですよ。
天然ガスからプロパノール、ブタノールというアルコールを作ってそれをガソリンと混合したものです。
温暖化に関与しないとされる炭素循環は行われていません。

また、腐食性が強い添加剤(MTBE)がオクタン価向上のために大量に入っていて問題有りなんです。

投稿: Snow(ブログ主) | 2008年2月 1日 (金) 09:47

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