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2007年4月21日 (土)

アメリカの財政赤字と貿易赤字

アメリカの経済、特に貿易赤字は今後どうなっていくのか。
いやむしろ現在、どうバランスをとっているのか。

まず、アメリカのドルの強さについて理解しなければならない。
ドルの強さ、それは「アメリカ国家の力」を世界中の国や個人が信頼しているからだ。
主に言うならば、経済力、政治力、外交力、軍事力だろう。

アメリカ政府は、経済の活性化の為に国内に対して多大な出資を行なっている。
これは1929年の世界恐慌のときの対策に代表される、ニューディール政策の流れや性格を有するものだ。
そしてそれと同時にアメリカは軍事方面にも出資を大幅に行なっている。
それにプラスして昨今の恒久的に成りつつある減税政策。

これらがアメリカの財政赤字を成長させているわけだが、その結果アメリカ経済は空前の消費ブームを巻き起こしている。
アメリカは同時にグローバル化へ向けた外交を世界に行なっているわけだが、それが国内の消費ブームと重なって、大きな貿易赤字を生む結果となっている。
世界を牛耳る方向へ行こうとするアメリカは、アメリカ自体の経済をそのままグローバル規模にしたいのだろうが、国内の弱者を含んだ消費者はそのグローバル化によって、価格の安い外国製品を選ぶようになる。
アメリカは、穀物生産、食肉、エネルギー、金融、IT産業において世界の勝ち組となっているわけで、その業界はグローバル化によって潤っている。
しかし、衣料品、家電、自動車、IT機器、各種組立産業等においては空洞化が大問題と成っている。
その空洞化は実は巨大なもので、それが丸々、貿易赤字となっていると言っても過言では無い。

貿易赤字の相手国で主な国は、日本と中国だ。
数年前まではトップが日本であったが、ここ数年、対中国の赤字が対日本の赤字を上回った。
アメリカの貿易赤字は毎年6000億ドルずつ増えている。(日本はそのうち800億ドルくらいだろうか・・・)
この金額は減るどころか増える傾向にある。

日本や中国はこの黒字分の資金をどうしているのだろうか。
それぞれ円や元に換金し、自国に持ってきているイメージがあるかもしれないが、実はそんな事はしていない。
当然、少しは換金されている。そしてその勢いが円高を起し、投機家がそれに対して敏感に反応し増幅させる。
しかし、大部分の貿易黒字分は、実はアメリカ自体に投資しているのだ。
その対象は、株であったり、アメリカ国債であったり。
数年前まで、「ダウ平均が8000ドルの大台を突破!」とか「ついに9000ドル!」というニュースが飛び交っていた。
しかし、今では13000ドル・・・(NYダウ、1万3000ドルに迫る [読売新聞])

日本や中国は、ドル安になる事を嫌い、換金をせずにアメリカに投資する。アメリカの株価が右肩上がりなのがそれを加速させている。
アメリカからしてみれば、実は株式というのは最高の輸出品なのだ。
株価の実態はその会社の信用度と実質的な資産価値だ。
そしてそれを生み出しているのが、アメリカ政府の財政赤字を要した政策だ。

そう。
なんと、アメリカの貿易赤字は6000億ドルであるが、それを上回るアメリカ国外からの資本投資がある。
貿易赤字の状態であるアメリカ経済を支えているのは、外国からの資本投資なのだ。

整理して考えてみよう。
外国からの資本投資は、外国の貿易黒字分だ。
外国の黒字は、アメリカ社会の消費文化のお陰。
アメリカの消費を促しているのは、アメリカ政府の財政赤字。
アメリカの財政赤字を支えているのは・・・
・・・実はなんと、日本の低金利政策による「円キャリートレード」であったり、日本政府、中国政府の執拗なアメリカ国債の買い込みなのだ。

日本政府の財政も今、厳しい状態にある。
しかし、アメリカ国債を売るに売れない。それはアメリカ国債の暴落を引き起こす事になるからだ。
それがもし大暴落になった場合、アメリカは財政破綻を引き起こし、アメリカ経済は混乱、そして消費低迷、日本や中国を含めて世界各国は貿易において大打撃を受ける。そしてそのまま世界恐慌・・・。

大暴落の引き金を握っているのは日本だけではない。・・・中国もアメリカの国債を大量に持っている。
当然、中国もアメリカの破綻は好むところではない。
しかし、この経済の仕組みは、過去の歴史に類を見ないほどの巨大なバブル状態と言ってもいい。
日本や中国が引き金を引かなくても、実はバブル崩壊の時期は迫っている事は確実だ。

今、早急にそのバブルの空気を抜く作業をしなければ、世界は取り返しの付かない状況に陥るだろう。
第二次世界恐慌、第三次世界大戦、それに相まって、エネルギー争奪戦、異常気象、世界的な食料争奪・・・どんな未曾有の世界が待っているかわからない。
取り返しの付かない世界への流れを止めなくてはいけないのだが・・・。

昨今、このような流れは急速に進んでいるような気がするが、
歴史的に見て、急な流れはリバウンドをも引き起こす。
アメリカがブッシュ大統領を要している間は何も進展しないだろう。
しかし、2008年。
来年だ。
来年は流れからして確実に、ブッシュの共和党は敗北、民主党が勝つだろう。
ヒラリーやオバマが次期大統領として噂されているが、どちらにしろブッシュよりは良い政治をするだろう。
(日本に対しては厳しい政策を行ないそうだけど・・・それはそれで怖いんだけど)
それをキッカケに、バブルのガス抜きが行なわれれば言いなぁ・・・と思う次第です。

-追記-
この記事は、2007年4月 に書いたものです。
そして、2007年9月、サブプライムローンが崩壊。
翌年、2008年9月、リーマンショックが起こりました。
「当たった~」と喜べるものじゃありませんね・・・。



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コメント

アメリカの貿易赤字についてテレビか何かでやったのでしょうか。
急に、検索サイトから飛んでくるアクセスが増えたけど・・・

投稿: Snow(ブログ主) | 2007年4月25日 (水) 11:30

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